NONAKA様 M21型メープルダイニングテーブル
材料到着
メープル材料到着です。
通常は表面は切削なしで送られてくるのですが、メープル材は表裏、ある程度切削されての納品なので、板の表面の確認が容易なので、助かります。
作業場に入れて、サイズ感を確かめてみます。
狭い当工房の作業スペースがほとんどなくなるぐらいの面積。
前回の制作で、このサイズ、重量が私一人での作業の限界と確認しておりますので、製作開始にも、ある意味で「覚悟」が必要なテーブルです。
全て並べてみると、数枚に大きな反りが見られます。
これを平になるように調整すると、30mmからなかり薄くなってしまいますので、反りが大きいものは脚部の長さが短い部分に使用して、反りの影響を抑えたいと思います。
材料、荒取り
- 仕入れ材の節、色あいを、表裏、木目を確認しながら、限られた材の中で一番しっくりくるように配置を決めます。
- 袷せは大量生産ものなどは「いも矧ぎ/接着剤をつけて圧着するだけ」、またはこのビスケット矧ぎでも「いち列、いち重」が多いですが、当工房は必ず2重にして折れへの強度を高めた矧ぎをしています。
- 30mm厚で来た材ですが、できるだけ厚みを確保するために裏面の切削は多少の傷は我慢し、できるだけ少なめにし、表面を揃える形で整えました。
結果として28.5mm厚を確保できました。
この面積での0.5mm、1mmっていうのは意外に見た目のインパクトも違ってきます。
- 一度では大きくて袷せられないので、2回に分けます。
- この2枚を明日、一枚に袷せます。
- 天板裏側の反り止め材の埋め込み位置の確認です。
- この作業は明後日の予定です。
脚部制作
- こんな形になります。
- この接合もビスケット2重2列で4枚。上下方向の強度を高めての接合です。
- 接合角度にあわせて、特別に端材で治具を作って圧着。
- 一気にできないため、一枚づつに3時間以上を乾燥に費やし、順番に進めていきます。
- もう一方の脚部は素直な長方形なので、簡単ですね。
- 天板の全体接合場面です。
- 大きいですね~
- 脚部を置いて全体の完成位置を確認
天板整形
- 天板を墨線に沿ってカット。
材が厚いので、少しづつ、少しづつ。
大規模木工所ならNCルーターでパソコンで入力し、ボタン一つで自動で切っちゃう簡単な作業ですが、当工房では全て手作業で、人力勝負です。
- 凹凸は鉋である程度調整をし、仕上は手持ちベルトサンダーで整えます。
裏面加工
- 反り止め用のアングル材の埋め込み作業です
- 専用の治具で正確に彫りこみます。
- 作業終了でアングル材を取り付けた状態です。
- 左右には材の収縮を考慮してクリアランスを設けてあります。
棚板
- 棚板を事前に作っておきました。
- 当初はオリジナルで作った吊り下げ用のアイアンアングル材を使う予定でしたが、実際に隙間を見てみると、その線がとても邪魔でスペースも無駄になるため、急きょ変更して、スライド式にしました。
- 4本の脚部の板に欠き込みを入れて、そこに横からスライドさせ手入れるという方法です。
- 入れ込みやすいように、少し欠き込みのスペースは広くしました。
- ただ、動いてはいけないので、設置したら金具を取り付けておきましたので、ビス1本で一カ所止めていただければ、脚部は固定していますので、大丈夫かと思います。
- ビス穴もあけて、ビスも同梱しますので、ドライバー(細目)で慎重に固定してください。
脚部固定
- 脚部と天板との接合は6Mの六角レンチでボルトで締めこみ固定する方法としました。
- 六角レンチも一緒に送りますので、このように締めこんでいただければガッチリ固定できます。
- 脚部取付けの時に位置が一目でわかるように、焼きペンで目印をつけておきました。
また、細い木片をくっつけておきましたので、端をそこに合わせていただければ、ちょうど接合用の六角ボルトが差し込める位置になるようにしておきましたので、簡単かと思います。
- 脚部の全体の状態です。
塗装
- シミのできにくいタイプの塗料です。
- 一度、たっぷりと塗り、乾かないうちに研磨、拭き取り少し乾燥。その後、もう一度、塗ってしばらく置き拭き取って完了です。
- 天板の完成状態。
色あいの違い
- 天板を別の角度から見ると、色あいの違いが強く出ます。
本日、夕方、追加注文した3枚が届き、表面を切削してあわせ比較してみましたが、交換してもほとんど変わりません。
- 白く見れる反対側のカットした端材
- それを白く見える部分と比較してみると、ほとんど色あいに差がありません。
- つまり、右端と左端はほとんど同じぐらいの色の濃さ。
- どうも、見事にだんだんに濃い色になっていて、最後の部分でその差が少し強く出たようです。
- 以前のお客様の制作でも、同じように薄い色、濃い色が混じってましたが、これはこれで自然な木の色あいの違いなので綺麗に感じました。
- 今回はどうも私がちょっと神経質になっていたように思います。
- とりあえず、少しでも気になることは最善を尽くしたいとの思いからですので、どうかご了承いただければと思います。
完成
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ありがとうございました。