IISTUCA様へ
材料が届きました。
- 先日、材料が届き、まずは天板制作です。
- 端部分に大きな割れや、節がある部分を避けて部取りをします。
板の表面切削加工
- 厚みを一定させるために、手押し鉋で基準面となる片面を平にします。
- それを基準にして自動鉋盤で裏面を削って厚みを整えます。
表面、その他の確認。
- 切削してみて初めて明確な木目や色合いがわかります。
- それをもとに、板の組み合わせを決定しますが、今回は納品された板の一枚だけが特に赤みを帯びていて今いちバランスがよくありません。
ハプニング
- 加えて久しぶりにとある問題が・・・
- 切削機械にかけていると、いきなりガリガリと異音。見ると金属が埋まっていて機械の刃が欠けてしまいました。
- 北米産の材にはたまに、こうして鉛の金属が埋まっている場合があるのです。
- これは銃弾です。
- 現地の人たちが狩猟のために撃った弾が植林中の木に当たって内部に埋まってしまったものです。
- 大概は製材の時に見えますが、たまたま今回のものはその弾の両側をカットされて埋まっているのが製材してもわからず、私のところで切削して顔を出してきたといったケースです。
- カットした真ん中に位置しているので、まるまる一枚が使えません。
- 色あいの問題と、この金属の問題で、保険も含めて改めて3枚の発注をかけました。
再開 天板制作
- 材料が届きました。
- 新たに届いた3枚が色あいも良さそうですのでそのまま使うことにしました。
板切削 厚み調整。
- 早速に切削し、色目と杢目を見ながら袷せ順を確認します。
- 幅も調整し、全体のサイズにあわせます。
- ブナの木製ビスケットを2重に入れて、各材を袷せ圧着します。
これで、絶対に離れることはありません。
- 接着剤も高湿度にも耐える強力なタイトボンドを使用。
脚部と幕板の制作
- 天板の圧着をしている間に、幕板と貫材の臍加工に入ります。
- 幕板は厚みを37mmと、通常より厚めに設定して、強度アップを図ります。
- 部材を荒取り
- 臍加工は袷せ面の表面積ができるだけ多くなるように、脚部の中で咥えこむように繋がります。
- じざい工房の組加工は全てこの方法でやっていますから、強度も抜群です。
脚部テーパー加工と高さ調整部分加工
- 脚部は安定性とデザイン性から天板のサイズと形に合わせました。
- 臍穴加工も終えて、専用の治具を作って、テーパー加工です。
- 高さ調整部分はカット幅を計算して長さを確保、外してまた元に戻す時に杢目も揃うように印もつけてあります。
仮組確認と本組
- 各部材の臍加工、またヒーターの取り付け加工も済んだところで、接着剤をつけて組み上げる前に、確認のために仮組を行って不具合がないか確認します。
- 確認後、研磨作業。
- そして本組
- 組立は2回に分けて二日間で行います。
脚部9割完成&塗装
- 脚部は天板と接合する部材を取り付ければ完成です。
それは天板の加工が済んでから簡単にできるので、まずは脚部だけ塗装を済ませます。
天板反り止め用吸付栓加工
- 天板裏側に反り止め用の蟻加工吸い付栓の加工をします。
- 幅45mm用の専用治具を作って切削していきます。
- 溝は並行ではなく、先に行くごとに100/3勾配で細くなっていくようにして、先々の変化に対応するようにしています。
- こんな具合に綺麗に入りました。
- もう一本は、これも先々の板の変化に対応するために、反対側から差し込むように加工します。
天板反り止め用アングル材落とし込み化工
- ヒーターユニットを収納する枠部分に重なる位置に、さらに反り止め用としてアイアンのアングル材を入れる加工です。
- こんな具合に2本を埋め込みました。
材の収縮のために若干のクリアランスをとっています。
- 全体としてこんな具合です。
天板接合ノブ
- 天板との接合、脱着はこのノブボルト(高級品をつけました)で簡単にできます。
- どこにどれを合わせるか、記号と→で目印をつけておきました。
ヒーターユニットと収納
- ヒーターユニットはU字型最高級コルチェ式薄型ヒーターユニットです。
- 熱対策に上部には断熱用ハードボードを使用
- 夏場は使用しないコントローラーの収納場所も設けました。
- 記念の文字を小さいですが、焼きペンで入れておきました。
天板表、研磨塗装
- #120→#240→#360 と目の細かいものへと交換して研磨していきます。
- 塗料は輪ジミのつきにくいタイプを2度塗りしています。
完成!
ありがとうございました。到着、お待ちください。