kozai-wallbox

【材料準備完了】

なす高原 じざい工房 小林康文の素材を活かす家具づくり

  • 板の準備ができました。
    ほとんどを古民家古材を使用しての製作となります。
    古材の味わいを引き出すことに苦心しながら進めます。

【全体のパーツの製作】

画像の説明

  • 材料の使えそうな部分を吟味して、各バーツの製作をしていきます。
  • まずは外枠づくりから。

画像の説明

【背板は乾燥させたケヤキ材】

画像の説明


  • 背板はよく乾燥させたケヤキ材を使用。
  • これも使えそうな部分を選んで、木取りします。
  • 型を取ったら、切削、研磨して厚みを調整します。
    画像の説明

【細部の下準備】

画像の説明

  • 製作の都合上、平面にしなければならない箇所は表面を削ってしまいますので、古材とは言ってもその味わいが欠けてしまいます。
  • そこで、その箇所だけは古材の赴きを復活させるための裏技を使います。
  • 今回は時間短縮のために帯鋸を使って傷をつけます。
  • 昔の木挽き痕をイメージしたものですが、もっと厳密にやる時は実際に木挽きを使って傷をつけます。

画像の説明 画像の説明

  • 帯鋸痕状態に顔料系着色剤で色を作り、何度か塗って下地色を調整します。
  • 乾燥後、ミディアムウォールナット色のオイルを塗って色を安定させます。
  • まだ、これで終わりではなく、最後に決めの工程をしますが、それは後ほど紹介いたします。

【組立て】

画像の説明

  • 外枠、そして背板、さらに棚板、扉、各部の準備が完了
  • 今回は仕切り板も棚板も「ダボ止め」での取り付けです。

画像の説明 kozai-wallbox

  • 組立て前に上記の顔料系着色剤、研磨、塗装という工程を完成させておいてから組み上げます。

【扉取り付け及び取っ手製作】

画像の説明

  • 取っ手は、古い金属や、古い鉄なども考えてやってみましたが、シンプルに古材の小さな木っ端を加工しました。
  • 兆番金具も、ブロンズを使用。
    できるだけ外に見えないように、彫り込んでの取り付けとしました。

【仕上げワックスがけ】

画像の説明

画像の説明

  • さあ、ここからが当工房の真骨頂の部分でもあります。
    長年にわたり、古材の味わいを引き出すために、いろいろな方法を試してきました。
    墨を塗ったり、バーナーで焼いてみたり、燻製してみたり、醤油を使ってみたり、ベンガラを塗ってみたりと・・・
    結果、この方法に今は落ち着いています。
  • 英国から取り寄せたアンティーク家具用のメンテナンスワックスです。
  • これを薄く塗り、ただ、ひたすらにブラッシングします。
    とにかく、薄く塗ってはブラッシング、薄く塗ってはブラッシングを繰り返します。
    厚く塗るのは厳禁。
    ですから、かなり大変ですが、艶が蘇ります。

【ブラッシングと拭き取り】

画像の説明

処置前と処置後の違い 

  • とにかく、薄く塗ってはブラッシング、薄く塗ってはブラッシングを繰り返します。
    厚く塗るのは厳禁。
    ですから、かなり大変ですが、艶が蘇ります。

      画像の説明

【ウェスでの磨き作業】

画像の説明

  • 最後は丁寧にウェスで磨き、艶を出します。
    完成となります。

【完成画像】

画像の説明 画像の説明 

画像の説明 画像の説明 

画像の説明 画像の説明 

  • 背板にビスでの壁取り付け用あて板もつけておきましたので、適当な位置に移動してこの部分にビスを貫通させて壁に取り付けてくれるように、大工さんにお話ください。

以上で完成となります

今回は直前のお見積もりになってしまい、申し訳ありませんでした。
ただ、まるまる3日間をかけて、お若いお二人のお住まいに是非とも、「本物」の良さを飾って頂きたく、私の勝手な(自己満足かも)妥協なしの工程で、丁寧に製作させていただいたつもりでおります。

Re-Bornというテーマを掲げて15年以上もやってきましたが(最近はこのフレーズがメディアでもよく目にする、耳にするようになりましたね。)、古いものの味わいを活かしつつ、現代の生活に蘇らせる工程はやっぱりとても楽しいものでした。
本当にありがとうございました。
これからも、機会がございましたら、どうぞ、宜しくお願いいたします。